傷を早く治す浸潤療法

updated: 2020年11月5日

傷を早く治す方法をご紹介しますね。

じつは、傷は消毒液を使うと、治りが遅くなるのです。

傷ができると、ジュクジュクとした体液が、傷口から浸み出してきますよね。

この体液に細胞の成長をうながし、皮膚を修復するための、さまざまな成分がふくまれているのです。

この液で傷口をおおい、乾燥させないよう密閉状態を保つことで、傷跡が残りにくくきれいに治るのです。

また、細菌の感染が抑えられる、乾燥による神経への刺激が少なくなるため痛みが少ない、などのメリットがあるのです。


必要なもの

●水道水

傷口を洗い流すのに使います。

消毒薬は使いません。

殺菌してしまうと、欠損した組織を再生しようと頑張っている細胞を、殺してしまうからです。

●食品包装用ラップ

ポリエチレン製の、柔らかいものがいいです。

●白色ワセリン

ヒリヒリと痛む場合、薄く塗布することで空気から保護することができ、痛みがやわらぎます。

消毒薬配合の、軟膏や粉末剤は使わないでください!

●医療用粘着テープ(なければ絆創膏)

ラップを固定するのに使います。

●ガーゼ、包帯

【手 順】

1.傷の形状をチェックします。

深い場合や出血がひどいようなら、医師の診察を受けてください。

2.水道水で傷口をよく洗う。消毒は厳禁!

3.傷口に薄く白色ワセリンを塗り、傷より少し大きめに切ったラップを上からあてる。

ラップだけでもかまいませんが、ワセリンを塗ってからのほうが、痛みがすぐになくなりますよ。

4.ラップの周囲を、テープで固定する。

完全に覆うより、どこかに隙間を残しておいたほうが、余分な液が外へ流れ出るため、かぶれなどの肌トラブルを防げます。

5.ラップの上からガーゼを当てて、包帯でとめる。

漏れ出た液を吸収させるためですので、傷口には直接当てないでください。

2~5を一日1回、夏場などの汗をかく季節は、2回程度繰り返します。

上皮化・・「ピンクでつるつるピカピカの赤ちゃんみたいな皮膚」の状態になり、液が出なくなれば終了!

ラップは要らなくなります。

上皮化してすぐの皮膚は、シミになりやすいです。

一ヶ月は、紫外線をあてないよう注意してくださいね!

傷の周辺部が赤く腫れる、痛みが強くなる、臭いがきつくなるなど、感染をおこした状況が考えられる場合は、すみやかに治療を中止して、医師の診察を受けてください。

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